• 3D CADの活用方法やメリットを整理しました

    弊社では3D CAD(SOLIDWORKS)を設計ツールとして導入しております。

    自動車、家電、事務機器、航空宇宙等の大規模な産業ではもう当たり前のように導入されていますが、まだまだ導入に踏み切れない企業様もたくさんあると思います。

    その要因として、

    • 導入にかかるコストが大きい
    • 使える人を教育し、会社のシステムを変更するのが大変
    • そもそもメリットがよく分からない

    と言ったことが挙げられるのではないでしょうか。

    逆に言うと、「メリットが無いからコストや労力をかける必要は無いので今まで通りにやる」という状態だと思います。

    そこで、ここでは改めて3D CADを使うメリットを整理してみます。

    ただ、そのメリットを理解して頂いたとしても導入の負担が大きいことに変わりはありません。

    そこできっかけとして例えば、弊社に3D CADで試してみたい設計案件をご依頼頂き、設計の過程を共有させて頂くことで「3D CAD設計はこんな感じなのか」というのを身近に感じて頂ければと思います。

    それでは、簡単ではありますがいくつかの活用例を挙げさせて頂きます。

    設計段階でわかりやすく

    800_2621_lr
    今回はこちらの万年筆を題材としてお話しを進めていきます。

    もちろん設計段階ではこの現物は手元に無い状態です。

    この万年筆を3D CADデータにするとこんな感じです。

    分解前_lr

    設計段階では色々なことを検討、確認しなければいけませんが、例えば一番基本的なこととしては「製品がどういう構造になっているか」ということが挙げられます。

    分解後_lr

    3D CADではモデルを1回作ってしまえばデータ上での分解も簡単に出来ますし、3Dだと設計者以外の人にとっても構造が簡単に理解できます。

    設計段階で関係者の間での共通理解が深められることによって、後工程もスムーズになります。

    わかりやすくという観点でもうひとつ。

    意匠が大事な製品だと仕上がりのイメージも気になりますよね。

    レンダリング機能を使うとさらにリアリティのあるデータを確認できます。

    レンダリング_lr

    レンダリング2_lr

    その他にも、複雑な構造の製品になると2D図によるレイアウト作業では確認しづらい干渉の有無も比較的簡単に行えます。

    シミュレーションで試作品を作ってのトライ&エラーの回数を減らす

    製品開発する上では試作品を製作して試験することが必要になってきます。

    しかし、試作品をつくるのにはかなりコストがかかります。

    出来るだけ試作回数は少なくしたいですが、そこで活躍するのが3D CADデータを使ってのシミュレーション(FEMやCAEと呼ばれるもの)。

    例えば今回の万年筆の事例だと留め金の強度が気になります。

    簡単に折れては困るけど、強すぎると挟みづらくなるし。。。

    FEMならば留め金の幅や厚みを変えるとどうなるかが、現物をつくらなくてもある程度確認できます。

    キャップ解析_lr

    もう一つ例を挙げますと、ペン先に力(筆圧)を加えるとどんな変形になるのかも確認できます。

    シミュレーションの良いところは技術を数値化してノウハウを蓄積できること。

    そのデータが貯まれば貯まるほど、その後の設計開発業務の効率が向上していきます。

    設計段階で作成した3Dデータで部品製作の効率UP

    3Dデータを活用して部品製作も効率的に行えます。

    例えば、切削加工の場合は数値制御の工作機が使えればそのデータを元に加工の設定が出来ますので、2D図面からオペレーターの方がデータを入力していくより楽になります。

    また、近年では3Dプリンタの分野も盛り上がっていて、色々なことが出来るようになってきました。

    800_2622_lr

    弊社の3Dプリンタは民生用なのでこの程度のものしか作れませんが、それでもすぐに手に取ってサイズ感を確認したり、人にイメージを説明したりということに使えるのは非常に役に立ちます。

    こういったものと3D CADを連携させることによって、モノづくりのスピードを上げていくことが可能です。

    3D CADデータはイラスト作成にも役立ちます

    製品を発売する前には特許や意匠登録の出願、マニュアルの作成といったことにイラストのようなものが必要になることがあります。

    それも3D CADデータがあれば2Dのイラストに落とし込むことも容易です。

    外形図

    3Dデータから作成しているので、アングル違いの図が複数必要な場合でも、それほど手間はかかりません。

    3D CADはモノづくりの工程全体で使い切ることが大事

    ここまでいくつかの例を挙げてきましたが、恐らくその中の一つや二つのために3D CADを導入するのは割に合わないと思います。

    やはり3D CADのライセンスは高いですから。

    今まで2Dでやってきた頭やシステムを3Dに切り替えるのも相当な苦労が伴うはずです。

    ですが、3D CADは設計自体の質を上げるポテンシャルを持っていますし、設計段階で作成した3Dモデルは後工程でも活用できます。

    弊社は決してCAD代理店の回し者ではないのですが、使っていてメリットを感じているからこそこのようなことを書かせて頂いております。

    もし3D CADで試してみたい設計案件がございましたら、ぜひ気軽にお問い合わせ下さい。


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