【1日ひとつだけ、強くなる。(梅原大吾)】を読んで、個人で戦っていくメンタルについて学ぼうと考えた

個人で勝負の世界で勝ち続けるには、並外れた努力を積み重ねることと、感情のコントロール。それをどうやって成し遂げるのか。

この本を読もうと思った狙い

これまでサラリーマンとして働いてきて、ある意味で会社に守られてきました。

会社を辞めて個人としてやっていくには、勝負の世界に身を置いてきた人のメンタルとか考え方を少しは知っておいた方が良いかなと思い、本を探していました。

そんなときに本屋で見かけた本がこの本です。

この本を書いた梅原大吾さんは日本で初めてのプロゲーマーで、長年、世界のトップに君臨し続けています。

この方が主戦場としているゲームの「ストリートファイター」シリーズを私も少しかじったことがあり、この方が「ウメハラ」として、1フレーム(60分の1秒)単位で正確にコマンド入力するような、尋常じゃない強さを誇っているということは知っていました。

私はてっきり、コマンド入力能力と反射神経が人並みはずれている、程度に考えていたのですが、それは当たり前のこととして、もっと別の何かがありそうだ、というのを店頭で本をパラパラめくってみたら感じられたので、買って読んでみました。

大前提として、ウメハラは14歳のときに日本チャンピオンになり、ゲーマーの地位が決して高くない時代も、受験勉強や部活に目もくれず、ただひたすらに練習を重ねてきていまのポジションを築いているということがあります。

ですから本書は、上で書いたような超人的な技を普通にできるように練習を積み重ねた上での、さらに次元の高い話だと捉えています。

私はそこまで自分を突き詰めたとは言えませんが、こういった「境地」があるということは、今後なにかの役に立つと思い、書き残しておきます。

成果は各場面の「勝ちの総計」ではない

本書では「ストⅣ」の展開を例に出して語られているので、わかる人にしかわからないのがやっかいですが、「勝負事には全体の流れがあって、全ての局面で勝つ必要はなく、最終的に勝っていれば良い」と表現すれば良いでしょうか。

押さえるべきところさえ間違っていなければ、場面において失敗したって構わないのだ。

と本書の中では書かれています。

これを理解していないと、常に全力でいなければいけなくなり、必要なリスクも取れなくなる、とのこと。

これではプレイを見ている人もつまらない、と。

これはまさに日本の社会をそのまま表しているような。

全力を出し続ければ、最後に勝てると思って仕事している、させている人たちがどれだけいることか。

常に「全体の流れ」を見失わないようにしたいものです。

感情を支配する

これは本書の第2章にあたる部分の見出しになりますが、私のもっとも苦手とするところです。

人間とはそんなものと言ってしまえばそれまでですが、勝負の世界で勝ち続ける人は、まさに悟りの境地に達しているのでしょう。

腹を立てるのは「相手をコントロールしたい」気持ちがあるから

どうにもならないことは、受け入れる。それが強さへの近道

弱い人ほど目先の損を我慢できない

う〜ん、心にグサグサ突き刺さるのは、まさに自分にとって図星だから。

ここで、いろいろ書き出すと長くなりすぎるので、この言葉の引用にとどめますが、同じ章でこうも語られています。

負けるときも、自分の戦い方で負ける

せめてこれだけは出来るようになろうと、自分に言い聞かせようと思います。

飽きても続ける

好きでゲームをやってても、やはり飽きることはあるそうです。

1日ひとつだけ、成長をメモする

成長できたとしてもむやみにハードルを上げない

負けることよりも「発見がないこと」のほうが怖い

本書を読んでいると、ウメハラのモチベーションは「成長する」ことに尽きるようです。

ただし、成長を積み重ね続けるには、ハードルを上げすぎない、むしろ下げるくらいなのかポイントらしいです。

これはゲームの中だけに限ったことではなく、「出かけるときに戸締りをする」というレベルまでハードルを下げても成長を感じられるくらいがいい、と語っています。

これは頂点を極めた人だからこそ言えることだとは思いますが、トップに君臨し続けるメンタルというのは、こういうことなんでしょう。

そんな人が、こう言うくらいなんだから、まだまだ伸びしろが無くなるほど努力していない私なんか、心がけひとつで成長を積み重ねることはできるはず。

とにかく、小さいことでも続けよう。

おまけ

ウメハラはずっとゲーマーとしてやってきたわけではなく、途中でプロ雀士を目指して実際にプロ級の腕前になったり、介護士として働いたということも間に挟みながら、プロゲーマーになったそうです。

そうやってゲームの世界に戻ってきたときに、

「やっぱり俺にはゲームなんだ」この諦めは、嫌な感じではなかった

という気持ちだったようです。

もしかしたら自分も最終的にはそんな風になるのかなと、ふと思いました。