「ロジカルシンキング」の本質はどこにあるのか?

「ロジカルシンキング」で調べてみると、中身がマチマチでいろんなものが出てきたので、本質は何なのかを自分なりに探ってみました

私はサッカー観戦がちょっと好きなのもあって、毎週土曜日にテレ東で放送されている【FOOT x BRAIN】というサッカー情報番組を観ています。

この番組はサッカー情報番組なんだけど、たまに一見サッカーとは関係無いようなものから日本サッカーの強化を考えようというような企画があり、その切り口が面白いので楽しみにしています。

前回(2015.11.14)の放送では「ロジカルシンキング」で日本サッカーを強くするための方法を考えようという回でした。

ゲストで登場したのはビジネスマンが大好きなマッキンゼー出身のコンサルタント、太田薫正氏。

「ロジカルシンキング」というのはだいぶ以前から言葉自体は知っていましたが、「できるビジネスマンになるためには身につけるスキル」程度の認識で、中身はよく知りませんでした。

その放送の中で説明されていたのは、何か課題を解決する方法を考えるときに

広げる → まとめる → 深める

の順番でアイディアを整理していく、とのことでした。

もう少し分解して書くと

広げる

  • アイディアをとにかくたくさん書き出す。
  • 良いことを言おうとしない(小さくまとまらないようにする)
  • 広げてから、ある部分にフォーカスする

まとめる

  • 命題化する(”〜すべき”という形にする)

深める

  • 価値が高いアイディアなのか確認する
  • 他の人からの反論に対して回答することで、自分の主張の自信を深めていく

具体例などを端折っているので伝わりにくいと思いますが、キーワードを並べるとこんなことを言っていました。

これを観た正直な感想は「これってそんな特別なことなの?」

でも、たかだか30分番組で、なるべく分かりやすいようにするとこんな感じになっちゃうのかな?とも思いました。

そこで、もうちょっとロジカルシンキングについて調べてみました。

まずはGoogle先生にロジカルシンキングについて聞いてみた

Google検索で「ロジカルシンキング」で検索してみると、Wikipediaをはじめたくさん出てきますが、どれも言っていることがちょっとずつ違うような。

ロジカルシンキングとは論理的に思考することである、というようなそのまんまで結局よくわからなかったり。

“MECE”や”So What?”,”Why So?”,”ピラミッド構造”というようなキーワードが出てきたり。

どうも総じて「論理的に考えるためのツール、もしくは方法論」という感じですが、中身を読んでも結局は上で書いたような「たったこれだけ?」というような感想はぬぐえません。

ロジカルシンキングに関する本もかなりたくさん出ているようなので需要が相当あるんだと思います。

ロジカルシンキングの中身にケチをつけているわけではなくて、「ロジカルシンキングなんて大層な呼び名をしなくても、論理的思考をするためのツールなんて昔からあるだろ」ということです。

(例えば、品質改善活動の進め方やトヨタの”なぜ”を5回繰り返す、など)

やっぱネットで調べた程度じゃよくわからんと思い、本を読んでみることにしました。

【ロジカル・シンキング―論理的な思考と構成のスキル】を読んでみた

こちらの本はロジカルシンキングについてネットで調べたときに、日本においてロジカルシンキングという言葉を広めるきっかけになった本だということが多く書かれていたので、この本を選びました。

読み始めていきなり驚きましたが、重点的に述べられているのは「ビジネスにおけるコミュニケーション、伝え方」でした。

上で書いたような「論理的思考術」のようなことを想像して読み始めたのですが、中身の印象は全然違いますね。

確かに手持ちの情報の整理をするためのツールとして”MECE”や”So What?”,”Why So?”というものが出てきますが、一貫して「相手(上長や承認者)を説得するためにはどのように話を展開させるべきか」ということを目的としています。

この本を読んで自分の中のモヤモヤが晴れた気がします。

ネットで得たような情報だと、「これは別に思考術ってもんじゃないだろ」と感じていましたが、やっぱりその感覚は間違っていなかったようです。

本を読んでいる途中で「この本のタイトルは”ロジカルシンキング & コミュニケーション”にした方が良いんじゃないか?」と思ってたら、本の最後の方は”ロジカルコミュニケーション”と書かれていてちょっとおかしくなりました。

最初からそういうタイトルにしときゃいいじゃん!

誤解しないで頂きたいのは、ビジネスにおいてコミュニケーションは極めて大事な要素なので、この考え方はぜひ身に付けるべきものだと思います。

機械設計の仕事においてもコミュニケーション能力が重要であるという記事を以前書かせてもらいました。

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【機械設計の話】設計は「コミュ力」だ!!

設計者は関連部門との調整役でもあります。それは「設計する」ということの守備範囲が広いので、仕方ないことかもしれません

逆に、この本ではそもそも読者は「思考」はできる前提で、それをどう情報整理するかという観点で書かれているので、「期待したものと違う!」という感想を持たれる方もいるかもしれません。

それがAmazonでの評価が分かれる要因かなとも思います。

繰り返しになりますが、この本における「ロジカルシンキング」では新しいことを何か考え出すというようなことには向きません。

では他の本はどう書かれているか?

上でご紹介した本が「ロジカルシンキング」のはしりではあるものの、この本は2001年に出版されたものです。

現在では「ロジカルシンキング」の定義が幅広くなっちゃってるんじゃないか?と思い、他の本もパラパラめくってみました。

本屋ではロジカルシンキングに関する本が10冊以上並べられています。

それを一通り見てみると、やはり書かれ方はまちまち。

もはやロジカルシンキングと言っただけでは結局何を指すのかよく分からない状況になっていそうです。

元々は「結局何を言いたいのか?」を伝えるためのツールであるはずのロジカルシンキング自体が、曖昧さをもつものになってしまっているのは皮肉なものですね。

ということでこの記事のタイトルの「ロジカルシンキングの本質は?」の答えは「よくわからない(人によって解釈が異なる)」です。

ただ、私としては「相手を説得するために必要な情報や説明の流れを整理するためのツール」と考えることにします。