3D CADデータと実写背景をPhotoshopで合成してみました

突然ですが、上の写真は3D CADのSOLIDWORKSで作った部品データ(歯車)とうちの事務所で撮影した実写写真を合成したものです。
つまり、この写真に写ってる歯車はリアルには存在しません。
「見りゃ分かるわい」なんて言われちゃいそうですが、Photoshopを使い始めたばかりの素人がやったにしては割とよくできてませんか?
私は機械設計事務所を営んでおりますが、デザイン関係のスキルを身に付けたら付加価値になるんじゃないかななんて思って最近いろいろと勉強しております。
最近の製品開発はなるべく試作品をつくらないように(コストを抑えるため)進めるので、例えば意匠の出来あがりイメージもものをつくらずに出来たら良いんじゃないかなと思いまして。(もちろん大手企業ではやってるでしょうけど)
ということで、この写真の合成手順を簡単に書いておきます。
3D CADデータと実写写真の合成手順
すいませんが私はまだまだ素人で詳しい解説は書けませんので、やったことのみを書かせて頂きます。
不親切で恐縮ですが、なんとなくのボリューム感だけ感じ取ってください。
SOLIDWORKSで歯車のデータを作成し、レンダリングして実写っぽくする
まず歯車を3Dモデル化します。
普通にモデリングしただけだとこんな感じの見栄えになります。
この段階では全然実写っぽくありません。
SOLIDWORKSには【PhotoView 360】というソフトがアドインされていて、そいつで光の当たり具合とか、カメラの位置とか、部品の表面のテクスチャ(質感)を設定すると、実写っぽく見えるように処理してくれます(レンダリング)
レンダリングしたものをJPEGで出力しておきます。
レンダリングした画像をPhotoshopで切り抜き
レンダリングするときに背景を真っ白にしておけば、自動選択ツールを使って割と簡単に範囲選択して切り抜けます。
歯車の影を作成
上で作成した歯車の形の選択範囲をコピーして黒く塗りつぶします。
それの輪郭をぼかし、それっぽく見えるように影の位置を調整します。
各画像を重ね合わせ
レンダリングした歯車の画像、影、あらかじめ撮影しておいた背景写真を重ね合わせます。
ちなみに、レイヤーはこんな感じにしてます。
歯車を背景に馴染ませる
レンダリングした画像をただ重ねただけだとかなり浮いてしまうので、馴染ませるために調整します。
その調整内容は、
- ノイズを追加し立体感を出す
- 遠近感が自然になるように、わずかに歪ませる
- 同じく遠近感を出すために奥側を少しぼかす
- コントラストを下げて、明るさを背景に合わせる調整をする
- 色味が背景に合うようにカラーバランスを調整
- ハイライト(テカってる部分)がキツすぎるので、トーンカーブをいじってハイライトを落とす
ここまでやった結果が冒頭の写真になります。
こうやって書いてみると意外に手順が多いですし、実際に2時間くらいかかりました。
ただ、私はPhotoshopを始めたばかりなので、慣れてくればもっと全然短い時間でできると思います。
Photoshop独学のお供に
私はこちらの本でPhotoshopの勉強をしています。
Photoshop 10年使える逆引き手帖【CC/CS6/CS5 対応】
ただ、本当に全く初めての方はこの本を最初の一冊にしない方が良いと思います。
というのも、この本は手引き書というよりは辞書に近いです。(本のタイトルの通り「逆引き手帖」なので)
私は写真が趣味なので写真レタッチの知識自体は持っていましたし、同じAdobeのIllustratorを使っているのでなんとなくの操作やレイヤーという概念はわかっていました。
ですから懇切丁寧な本よりも、自分がやりたいと思った具体的な事例がなるべくたくさん載っていて、読みやすいものが欲しかったので、この本を選びました。
でも、基本的なことが書いていないわけではないです。
各操作手順もキッチリ書かれていますし。
ですから、割とパソコン関係に強い方はいきなりこの本を読んでも十分理解できると思います。
このPhotoshopスキルが実を結ぶかどうかはわかりませんが、これ自体は楽しいのでしばらく勉強を続けていこうと思います。
それにしても、噂には聞いていましたがPhotoshopの力はすごいですね。
本を読む限りはスキルさえ身に付ければ本当になんでも加工できちゃいそうだから、写真を撮る意味や考え方を見直さないといけないかもしれません。