3Dプリントしたあとはリューターで仕上げましょう
一般的なコンシューマー向けの3Dプリンタは熱溶融積層法(FDM)がほとんどだと思います。
この方式だとプリントする形状によっては「サポート」というものが必要になって、それがプリント後の処理にいろいろやっかいだということをこのブログでも何回か書かせてもらってます。
せっかく3Dプリントしたならキレイに仕上げたいというのが人情。
今回はその仕上げのひとつとしてリューターを使った工程をご紹介します。
3Dプリント後にバリっぽいものが残ることが
FDM方式の3Dプリントでは宙に浮いた部分の形状をプリントするときに「サポート」が必要になります。
上の写真だと柱状になっているのがサポートですが、本体に対して柱と柱の間に隙間があるので、プリント時にその隙間上では樹脂がタレてしまいます。
その結果、プリント後にサポートを外すと写真のようにささくれ立ったバリのようなものが残ってしまいます。
これはどうにかして除去したいですよね。
リューターでキュイーンと削っちゃいましょう
この出っぱりを除去するには、まずニッパーで切れるものは切っちゃいます。
ちなみに、3Dプリントする人はホビー用のちゃんとしたニッパーを持っておくといろいろ便利です。(ホームセンターで売ってる激安工具セットに付いてるものでは全然使い物になりません)
ニッパーで切っても細かいデコボコは残るので、ここでリューターの出番です。
リューターとは、ビットを高速回転させて、ビットの先端の砥石で工作物を削るものです。
ビットはいろんな種類が売っていて、円盤状のものを付けると金属やプラスチックの切断も出来ます。
電動ドライバーと何が違うんだ?と疑問を持たれる方もいるかもしれませんが、リューターの方が回転スピードが全然速いです。
その代わりトルクは低いので、力はかけられません。
あくまでスピードにものを言わせて砥石で削っていくものになります。
逆に、電動ドライバーにリューター用のビットを付けても回転が遅すぎて全然削れないと思います。(やったこと無いですけど)
で、ささくれ立ったものをリューターで削るとこんな感じになりました。
ささくれはキレイに取れました。
積層の跡を消すところまでやるにはもっと時間をかけて丁寧に削らないとダメですね。
リューターを選ぶポイント
リューターをネットで探してみると安いものは2千円かからないで買えちゃいます。
これは樹脂のように柔らかいものしか削らなかったり、使用頻度は低いので耐久性は求めないという方はこれで大丈夫だと思います。
もっと上の価格帯のものになるといろいろありますが、選ぶうえで個人的にぜひプッシュしたいポイントがあります。
それは持ちやすさです。
リューターはかなりの高速回転をします。
リューターを安定して持てないと、リューターを工作物に接触させた瞬間に弾かれることがあります。
そして弾かれた先に自分の手があったりすると場合によっては大ケガにつながりかねません。
スペックを見比べるのもいいですが、ぜひ自分にあった大きさのものを選ぶようにしてください。
例えば、大きいリューターの方が安定させられそうだという人もいるでしょうし、小さい方がしっかり握れるから良いという人もいるでしょう。
そこは人によりけりなので店頭で現物を見てイメージしてみることをおすすめします。
リューターで削った粉の片付けをラクにしたい
リューターを使うと困っちゃうのが後片付け。
工作物を削るので、その粉が飛び散ります。
その片付けの手間を省けるようにと思い、こんなものを作ってみました。
これを見ただけではよく分からないと思いますので順番に説明していきますが、要はこの段ボールの中でリューターも工作物もいれて作業をすることによって、削り粉が飛び散らないようにするものです。
まず、段ボールに穴を開けます。
その穴にゴム手袋をガムテープで貼り付けます。
使用時のイメージはこんな感じです。(写真が悪くてすいません)
この段ボールの上にアクリル板を乗せれば段ボールの中は半密閉状態となり、削り粉が飛び散るのを抑えられます。
このときに小さすぎる段ボールを選ぶと動けるスペースが小さくなり、作業性が悪くなるのでご注意ください。
ゴム手袋の指先は切り落としています。
これは回転する工作機械を扱うときには安全のために必ず守らなければいけないことですが、回転体に軍手や手袋などが巻き込まれてしまうと大ケガにつながるので、軍手などは外して作業しなければいけません。
ですから、巻き込まれないようにするために今回は指先を切り落としています。
この写真の状態だとまだちょっと危ないかもしれませんね。
思い切って手首のあたりまで切っちゃってもいいかもしれません。
こんな感じでなるべくラクに作業できる環境を作ってみました。
ラクができればその分は創作意欲の方にエネルギーを振り分けられると思うので、良い作業環境作りは大事だと思います。