半田ごてを使った「熱カシメ」で3Dプリントの幅を広げよう

3Dプリンターではどんな形でもすぐに作れるというイメージを持たれている方も多いと思います。

その反面、実際に3Dプリンターで作業してみると不自由を感じている方も多いと思います。

やはり「下から順番に積層していく」というのは思ったよりも制約が大きいですよね。

自分がイメージしているものを作るには色々と工夫が必要なわけですが、そのひとつに「部品を分けてプリントして後でひとつにする」という方法が考えられます。

それはプラモデルのように組み合わせられるようにしたり、接着剤でくっつけたりなど様々ありますが、今回は「熱カシメ」をご紹介します。

熱カシメとは主にプラスチック製品に使われる接合方法で、製品の一部に熱を加えて溶かして変形させて部品同士を締結させます。

そもそも熱溶解積層方式の3Dプリンターはフィラメントと呼ばれるワイヤー状の樹脂を熱で溶かして成形していくので、熱カシメと3Dプリントは相性が良いんじゃないかと勝手に考えました。

熱カシメはこんな感じ

後で具体的な手順を載せますが、まず最初に熱カシメのイメージ図を。

熱カシメ2

熱カシメのやり方は色々ありますが、今回はボスの先端を溶かして他の部材を挟み込むタイプです。

熱を加える方法として半田ごてを利用します。

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半田ごてというと電子工作に使うイメージだと思いますが、半田付けにしか使っちゃいけないわけじゃないので活用しちゃいましょう。

今回カシメてみたのはこちらの部品です。

熱カシメ1

PolyFlexという柔らかい素材で作った部品とPLAという硬い素材で作った部品を組み合わせて使いたいものがありました。

そこで、PolyFlexで作った方に穴を開けて、PLAの方にボスを立てて熱カシメをすることにしました。

上の写真は部品を組み合わせただけでカシメはまだしてません。

実際にカシメてみたのが下の写真です。

熱カシメ3

私の持ってる半田ごては温度調節できないタイプなので加減が難しかったですが、とりあえず接合できました。

ちなみに、こんな感じでやるのは「とりあえずくっつく」というレベルで力をかけると外れてしまいますが、実際の量産製品を製造する行程ではちゃんと設計して、専用の熱カシメ機を使うので強度が出ます。

そもそも個人が3Dプリンターで作るものは見た目重視で力をかけることはあまりしないのではないかと思いますので、半田ごてでの熱カシメでも問題無いでしょう。

カシメだけじゃなく、強引にくっつけるのもアリ?

熱カシメ4

上の写真は細い棒状のものを枝分かれしてる部分で溶かしてくっつけたものです。

私が使っている3Dプリンター(FlashForge Dreamer)は割と精度良くプリントしてくれますが、やはり細い部品はプリントできないことはないけど、うまくプリントするためには手間がかかることもあります。

単純形状なら難しいことは全然無いので、なるべく単純な形状に分割してプリントして後から上の写真のように接合すると手間がかからないと思います。

もちろん見た目が大事なものだと接合部を削ったりして仕上げないといけないですが。

 

今回ご紹介した熱カシメはそんなに頻繁に使うものじゃないと思いますが、知っておくと作りたいものを実現するアイディアの幅が広がるのではないでしょうか。