3Dプリンタの調子が悪かったので分解してメンテナンスしました

だいぶ前になりますが、「3Dプリンタでフレキシブルな材質のものも使えました」という記事を書きました。

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FLASH FORGE DREAMERでフレキシブルフィラメント PolyFlex があっけなく使えました

ここぞとばかりに3Dプリンタで色んな材料を使って遊んでます。今回試してみたのは「3Dプリンター用フレキシブルフィラメント PolyFlex 1.75mm 白(Polymakr)」こいつは何かと言うと、名前の通りフレキシブルな樹脂、つまりとてもやわらかいらしいです。

そのときは特に問題無くプリント出来たんですが、最近久々にこの材質のフィラメントを使ってプリントしたいものがあったので3Dプリンタにセットしてプリントしてみたところうまくプリント出来ない、というかヘッドから材料が出てこなくなってしまいました。

柔らかい材質なのでかなりデリケートな部分があるんでしょう。

この問題を解決した過程をこの記事では書いていきます。

まずは新品のフィラメントを使ってみました

このフィラメントは説明書にも書いてありましたが、湿気のあるところに置いておくと徐々に吸湿して劣化するそうです。

私の場合は一応パッキンの付いた袋に吸湿剤と一緒に入れて保管していましたが、それでも購入してから半年以上経ってしまったのでダメになっちゃったのかな?と思い、新品を購入しました。

こいつは1個で約9000円するので割と痛いんですけどね。。。

新品が届いたので早速プリントしてみたら古いフィラメントと同じでやっぱりプリント出来ない。

マイ9000円は無残にも散りました。

次にやったのがエクストルーダーの分解とチューブの交換

どうやらフィラメントのせいでは無いということが分かったので、3Dプリンタ本体に手をいれてみることにしました。

一番確認しなきゃいけないのはフィラメントが通過するルートに異常が無いかどうか。

ということでエクストルーダーと呼ばれる、フィラメントを送り出して溶かして射出する部分を分解してみることに。

これが意外にというか、かなり面倒。

3Dプリンタを買うようなマニアックな人にとってはさほど苦ではないかもしれませんが、私は分解、メンテ、組み立てで1時間半くらいかかりました。

ちなみに、作業手順自体はメーカーの公式ブログに記載してあります。(私はFLASHFORGEというメーカーのDREAMERという機種を使っています)

まずは各部のネジを外してフィラメントを送出すモータを取り外します。

3Dプリンタメンテ1

私は今回初めて分解したので、こんなんなってるんだとちょっとした感動です。

で、フィラメントの入り口であるところの駆動ギヤとガイドプーリ部は汚れはあるものの特に大きな異常は無さそうに見えます。

念のため溜まっていたゴミを取ってパーツクリーナーで軽く拭いておきました。

分解を進めていきます。

次はエクストルーダーの先端に当たる「ヘッド」部の中を覗いてみたいのですが、そこまでたどり着くにはヘッドにつながっている熱電対とヒーターの配線を分解しないといけません。

3Dプリンタメンテ2

分解するのはいいけど、組み立てるときが大変そう。

配線を外したらいよいよヘッド部の分解なんですが、これが一番苦労しました。

上記ブログには「ヘッドをスパナでつかんで回せ」というようなことが書いてあるのですが、これがやってみると根元側の軸も一緒に回ってしまって外れません。

どうしたもんかとゴチャゴチャいじってたらあるとき急にヘッドだけが回るようになってなんとか分解できました。

ヘッドの位置決めの設計思想がよく分かりませんが、再組み立て時にちゃんと同じ位置に戻るんでしょうか?

分解したヘッドが下の写真。

3Dプリンタメンテ3

ヘッドの中にはチューブが入っており、説明書によると「このチューブは消耗品だから定期的に交換してね」だそうです。

実際に3Dプリンタの中に予備のチューブが2本付属しています。

消耗品なのにこのメンテナンス性の悪さ。

自動車の設計ならぶん殴られてますね。(ちょっと大げさかも)

そのチューブを見てみるとなんかタバコの吸い殻のようになってました。

果たしてこれが正常なのか異常なのか分かりませんが、せっかくここまで分解したのでとりあえずチューブを交換して元通りに組み立てていきます。

作業性の悪いこいつを苦労して組み立てて動作を確認したところ、やっぱりプリント出来ない。

この苦労は一体何だったんでしょうか。。。

最後はヤケクソ

万策尽きてしまったので、ヤケクソになってエクストルーダーへのフィラメントの引き込みと抜き出しの作業を3回ほど繰り返してみました。

するとなんと材料が出てくるようになったではありませんか!

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なんで出るようになったのかはサッパリ分かりませんが、とにかく結果はそうなりました。

まるで昔の家電製品の用ですが、発展途上の製品はこんなもんなんでしょう。

ということで、結果オーライで無事プリントしたいものをプリントすることが出来ました。

補足

上の方で「ヘッドを分解してちゃんと元に戻るのか?」という心配を書きました。

結果は、「ヘッドの高さは多少ずれるけどプリントに問題は無い」でした。

この3Dプリンタはステージの高さを調整する機構は付いていますが、2ヘッドのタイプなので、この2つのヘッド同士の高さを合わせる必要があります。

でもそこを調整する機構は付いていません。

再組み立て後にそれぞれのヘッドとステージの隙間を確認してみると、やはり多少差が出ていました。

でも今のところとりあえず普通にプリント出来ています。

ということで、3Dプリンタの分解記録でした。