【くたばれベンチャー! モノづくりニッチで起業(日比 恆明)】を読んで感じたこと

夏休みの読書感想文のようなタイトルになってしまいましたが、とある方からのご紹介でこちらの本を読んでみました。

くたばれベンチャー! モノづくりニッチで起業(日比 恆明)

ちょうど今は仕事が落ち着いていて、この先どういう方向に会社を持っていこうか模索しているのと、基本的には目指しているのは「ニッチ」であることもあり、面白そうだと思ったので早速購入。

もう会社作っちゃってるのに今更こんなことやってて大丈夫ですかね。。。

それはさておき、この本はやや過激なタイトルが付いていますが、「小金持ちになるには起業しかない」と起業そのものは推奨しています。

「くたばれ」と言っているのは、ベンチャー企業は日本の風土ではベンチャービジネスは育たない、と著者が考えているところから来ているようです。

もちろん実際には成功しているベンチャーはたくさんありますが、ハイリスク・ハイリターンで成功する確率が極端に低いことを指しているんだと思います。

そんな状況で何でもベンチャーをもてはやし、一攫千金を狙う風潮に対して「くたばれ」と言っているんでしょう。

私も当然ながらベンチャー的なものは目指しておらず、ニッチなところを狙って食いつないでいきたいですが、果たして「ニッチ」はどこに存在するんでしょうか?

小金持ちになるための起業するなら製造業が一番

著者は18年にわたってニッチな製品をつくっている製造業を取材しており、この本はその集大成という形になっています。

この本では「起業するなら製造業が一番」と書かれていますが、その理由はなんだかんだで製造業は日本の基幹産業であるということから来ています。

実際に私も自動車メーカーで設計をしていて、いろんなメーカー・サプライヤーさんとやり取りもしてきましたが、脱サラしてみると製造業の裾野は本当に広いなと改めて感じました。

自分が知らなかったようなお仕事がたくさんあって、いわゆる町工場のようなところでも「そんな金額ポンとだせちゃうの?!」というようなこともしばしば。

本の中では「ニッチ製造業」にたどり着いた事例がたくさん出てきますが、ただの下請け企業から脱却し、自社でニッチ製品を開発しています。

そしてそれらの事例は例えニッチでもオンリーワンになれれば十分にやっていけるということを示しています。

著者はそういった事例をたくさん見てきたからこそ「製造業が一番」と言っているのだと思います。

新規起業にはもう一工夫必要そう

この本に挙げられている事例は元々下請けだった起業が、それでは立ちゆかなくなって方針転換してうまくいったものが多いです。

著者は隙間商品と出会うパターンとして

  • 企業主自身が必要に迫られて開発した
  • 知人からネタを教えられて製品化した
  • 特注品の製造を依頼された
  • 売れるはずと自ら企画して製造した

というのを挙げていますが、そのどれもが元々製造業をやっていたからこそ出来たことであり、それによってニーズを捉えられたというものだと思います。

また、ニッチ製品は販路開拓が難しいとも書かれています。

う〜ん、私のような資産ゼロの状態では相当に厳しそうです。

まぁでもそりゃそうですよね。簡単に出来ればみんなやってますから。

この考え方のエッセンスだけ頂いて、うまく自分の強みを生かした、それこそ「ニッチ」な分野をどうにか掘り当てたいと思います。

この本には「隙間商品の開発手順」や「隙間商品の販売方法」についても書かれていますので、興味のある方は読んでみると面白いと思います。