【真空おひつ】でシリコンゴムの気泡を取り除こう

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以前このブログで、3Dプリンタで型をプリントしてシリコンゴム部品を作る記事を書きました。

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3Dプリンタでつくった型でシリコンゴム製品を成形してみました

第2回目の記事の最後に、「真の目的はシリコンゴムを成形することである」と書きましたので、今回はそのトライ結果について書いていきます。シリコンゴムは身近なところでも結構使われていて、馴染みがあるところだとスマホケースに使われているものがあったり、キッチン用品ではユニークなものもたくさんありますよね。たとえば名前の通り「シリコンスチーマー」とか。

比較的簡単にシリコンゴム部品を作れるのですが、普通に作るとシリコンゴムの素である主剤と硬化剤を混ぜるときに発生した気泡がそのまま部品の中に残ってしまう確率が非常に高いです(上の写真)

外見を気にしないのであれば、部品の機能的に特に問題無いことが多いのですが、せっかくならキレイに作りたいのが人情。

そこで今回は気泡を取り除く方法について書いておきます。

型に注入する前に空気を抜く

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上の写真のように、シリコンゴムの素を混ぜた直後は空気がたくさん入っています。(写真が見づらくてすいません。ピント合わせが難しくて。。。)

部品に気泡が入らないようにするためには、この空気を抜く必要があります。

プロの現場では恐らく真空ポンプを使って強制的に空気を抜いていると思います。

ただ、一般の人が真空ポンプを買うのは値段や置き場所を考えてもハードルが高いです。(もちろん気合い入れてこれからガンガン作ろうとしている人は買っても良いと思いますが)

そこでなんか良い物ないかな?とネットで探していたら出てきたのが【真空おひつ

スケーター 真空 おひつ 3合用 ポンプ付 米保存容器 BOH3

こんなものがあることを初めて知りましたが、本来の機能としては炊きたてごはんのおいしさをキープするものらしいです。

空気を抜いてご飯を保存するとおいしさ長持ちするんですね。

このおひつに先ほどのシリコンゴムの素を入れて、空気を抜いてみます。

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仕組みはシンプルで、空気入れの逆バージョンのものをおひつの上にセットして、シャカシャカ繰り返しストロークさせて空気を抜いていきます。

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下の写真は空気を抜いてから2分ほどで蓋を開けてみたところです。

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まるで沸騰したかのように気泡が表面に集まってきています。

これは期待できる!ということでもう一度おひつの空気を抜いてさらに5分ほど放置しました。

その結果が下の写真。

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肉眼で見ると若干気泡は残っていますが、ほとんど抜けました。

このシリコンゴムの素を型に流し込んで出来上がった部品が下の写真です。

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見事に気泡の無い完成品となっています。(表面の格子模様は3Dプリンタで型をプリントしたときに出来るテクスチャーが転写されたもの)

実験大成功です。

注意点としては、

  • 空気を抜くときに勢い余って中の器を倒さないこと
  • せっかく空気を抜いたシリコンゴムにまた空気が入ってしまわないように、型に注ぎ込むときは静かに注ぐこと

くらいですかね。

ということで、そんなにお高いものじゃないので、気泡が気になる方はトライしてみてはいかがでしょうか。